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集中して考えることは重要、でも、あきらめることも重要

 

 このブログでいつも考えることの重要性を書いてきましたが、タイトルを見て「 ? 」と思った方も大勢いらっしゃるかと思います。

 よく読んで集中して考えることは、思考力を高め、勉強をできるようにするために、不可欠なことは言うまでもありません。しかしながら、たとえば、難しい数学の問題を解くときに、手掛かりがつかめないままいつも30分ねばっていたら、勉強の効率が落ちて目標とする結果をあげられなくなります。5分から10分集中して考えても解けそうにない時には、すみやかに答え合わせをして、解説を読んで理解して、同じような問題にあたったときに、自力で解けるようにすることが重要です。

 また、英語の学習において(特に、高校生の英語学習において)教科書などの本文の予習に時間をかけてはいけません。英語の学力が不足している生徒にとっては、単語の意味を調べるだけの作業になって、英語の力がなかなかついていかなくなります。高校の英語の先生も二通りあります。予習はほとんどやらなくていいので、復習をしっかり行って力をつけることを推奨するタイプの先生。予習で単語をしっかり調べることを強制し、大変な場合だと、教科書の本文をノートに写してくることも強制するタイプの先生。前者の先生のタイプが増えてきてはいますが、後者の先生のタイプは、高校入試の競争率が低下してきている高校の先生に多いです。長文読解問題では、その問題をたとえば、10分から15分で終わらせるようにしましょう。答え合わせをすみやかに行って、本文の日本語訳や解説を読む時間をしっかりとりましょう。内容をしっかり理解したら、その英文章を繰り返し読みましょう。そうすれば、英単語や英語表現が身についていきます。

 数学などの理数系教科で、何とか解こうと粘りすぎてしまう生徒は、性格的な要素もあり、効率よく勉強するためにあきらめることを言うのは、がんばって解こうとしているので、言いづらい面もあります。すぐにあきらめてしまう生徒には、もっとしっかり考えることを言うことは、言いやすいし厳しく言っています。数学者だと解明されていない事柄を毎日考え、何年もかけて解こうとします。へたをすれば一生かけても解けないこともあるでしょう。紀元前の直角三角形の三平方の定理であるピタゴラスの定理から始まる名前が使われている〇〇の定理は、すべて数学者が何年もかけて解いて公式化したものになります。受験がある生徒達は、時間がかなり制約されて、時間を効率よく使わなければなりません。10分考えて解法の糸口がわからない場合は、すぐに答え合わせをした方が良いでしょう。集中してしっかり考え、すぱっとあきらめることができて、しっかり解答、解説を読んだり、説明を集中して聞いたりして、以降は自力で解けるようにする。そうすることがベストで、そのようにすることができる生徒は、成績が伸びていきます。将来、生徒達が就職して、たとえば、研究・開発の仕事などについたときは、できるまで粘り強く考え、挑戦することになるかと思いますが、勉強はいろいろな教科をしなければなりませんし、試験がせまってきます。受験勉強は時間的な制約があり、結果を求めなければなりませんので大変ですが、勉強したことが、将来自分がしたいことの礎になります。だから、無駄になりそうな勉強を避けて、効率よい勉強方法を行っていくしかありません。

 まとめとして、効率よく勉強でき結果をだすためには、あきらめることも重要です。そして、解いてからできなかった問題をできるようにしたり、覚えていなかった英単語や語句などを覚えることが重要です。問題を解いて答え合わせするだけに終わらないで、解いてから時間をかけてできるようにすることが重要です。