タブレットなどで閲覧できるデジタル教科書の導入が始まりました。2024年度までのデジタル教科書は「紙の教科書を補助する」という位置づけでしたが、2025年度からは大きく変わり、新たに「紙の教科書とデジタル教科書の併用」が原則となりました。すでに英語のデジタル教科書の配布は全国の対象学年に無償で100%行われています。ただし、これは完全なデジタル移行を意味するものではありません。あくまで紙の教科書の代替ではなく、両者を併用する形で教師や生徒が学習内容や場面に応じて、紙とデジタルを適切に使い分けることが想定されています。国も教科書のデジタル化を慎重に進めているようです。
特に、英語は教科書の本文の発音などを学校や家で何度も聞くことができますので、デジタル教科書を使うことはかなり効果的だと思います。
数学、理科などの教科では、you tube の 解説動画も同様ですが、デジタル教科書でも解説を見れば、非常にわかりやすいと思います。ただし、数学や理科の問題の解法をタッチペンを使ってタブレットに書き込むことはやめた方が良いと思っています。紙に書いて解いた方が効率的で身に付きやすいことは明らかです。実際に、近隣の何校かの私立高校で、数学の問題集がタブレットの中にインプットされていて、その問題を解く際に、タブレットにタッチペンを使って書き込ませている方法をとっている高校もあります。通塾生でそのようにやらされている生徒はみんな、紙に書いて解く方が良いと言っていました。ある程度高度な数学では、複雑な数式や記号を書かなければなりません。これらをタッチペンで正確に書くことは難しいし、時間もかかることになります。試行錯誤して書いたり、消したりして考えることになるので、タブレットへの書き込みは、そのようなことがスムーズに行いにくく、思考の流れや組み立ての過程を妨げることにもなりかねません。
結局は、最大限の効果を上げるには、教える側が生徒達に学習において効果の最大限出せる使い方を指導することと、生徒達が自らどのように使ったら良いかを考えて実行することが重要と思います。当然のことですが、使い方次第で学習面においても、AI,IT,デジタル教材は大きな効果を発揮します。
