速さの「は・じ・き」公式はいまや誰でも知っている有名な公式です。学校でも塾でも積極的に使うことを促す場合も多いです。逆に、使わない方が良いと考える先生もいます。私は、後者で100%使わない方が良いと思っています。次にあげる3つの理由で明快にそのばかげた公式を使うことを否定することができます。
➀ そもそも覚える必要がありません。時速50Kmは1時間に50Km進むことを意味しています。単位はKm/時で単位と公式は同じです。意味から式は少し考えれば簡単に導けます。中学で習う理科も同じで、物質の密度単位はg/㎤で、圧力はN/㎡など単位が意味を表し公式になります。
➁ 「は・じ・き」公式では応用ができません。応用問題の例として、メジャーリーガーの大谷選手が162Km/時のストレートを投げました。どれくらい速いのか皆目見当がつかないので、秒速にしてみることにしました。「は・じ・き」公式でしかできない生徒は手も足もでないでしょう。考えてできる生徒は、時速162Kmは、1時間は3600秒で、3600秒で162000m進むことになるから、162000m÷3600秒=45m/秒の速さとわかり、ピッチャーマウンドからホームベースまでが18.44mだからバッターまで約0.41秒で球が来ることになります。このように考えていけば実感できて、超、超・・・すごいことがわかります。
➂ 「は・じ・き」公式でただ数字を抜き出して公式に当てはめることをいつもしようとする生徒は、全く思考力が育ちません。中には、文章をほとんど何も読まずに数字のみを拾い出して答えを出そうとする生徒もいます。同様に、国語力も育ちません。
「速さ」の単元は、小5の2月くらいに学校で習います。その時、速さの理屈をほとんど教えてもらわないで、「は・じ・き」公式に当てはめて解かされることの方が多いようです。生徒達にとっては、考えずに「は・じ・き」公式を使って解くことが、良くないことかどうかは、全くわからないでしょう。その公式を教えてもらっても、それを使わずに考えて解こうとする子は少しはいるかと思います。そのような子は普通にまじめに勉強すれば、将来、かなり伸びることは間違いないように思います。大半の子供達の将来が、学校の先生の運に左右されてしまいます。
その問題は、「速さ」を習った時だけではなく、その後も習ういろいろな単元でもずっと続く可能性があります。最近気になっているのですが、高校の数学、物理の学校の授業において、教科書を使わずに、プリントに公式が書いてあって、その公式に数字を当てはめて解かせる方法をとっている高校の先生が増えてきています。高校の数学などの教科書には、その公式がどのようにして導かれるかや公式の意味が詳しく書いてあります。さすがに上位高では、教科書の内容もきっちりと教えています。
小学生の子は、「は・じ・き」公式は使わずに考えて解いた方が良いかどうかはわかりません。しかしながら、その子にとっては、その後の能力があまり上がらないか、ぐんぐん上がっていくかの違いがでてきます。大問題なのです。
最後に、一番重要な対処法を述べます。親御さんが、お子さんが公式当てはめ型で解いているのか、よく考えて解いているのかを、まず把握することです。塾でも「は・じ・き」公式を使って教えいるところもあるので注意してください。もし、公式当てはめ型で解いていたら、ここで書いたような理由を言って、よく読んで考える解き方をするように促してください。また、生徒達自身は意識して変えるようにしてください。
